7月3日 ゼミ日誌

 こんにちは、14期の兵平です。
 
 7月になりました。前期のゼミも残すところあとわずか。
 巷ではW杯の盛り上がりもさることながら、号泣記者会見を披露した兵庫県議が話題になっています。政務費の使用に関して疑惑がもたれているらしいです。来春から社会人になる予定の私ですが、会社の経費に関わる領収書の類は漏れ無く保存しようと深く心に誓いました。不正経費は「ダメ。ゼッタイ。

  本日のゼミは、以下のスケジュールで行われました。
4限:ニューススピーチ1、輪読『モール化する都市と社会』第4章
5限:ニューススピーチ2、卒論×2           


ーーーーーーー4限ーーーーーーー

〈ニューススピーチ1〉担当:兵平
◆問題提起◆
日本は司法取引を導入すべきか。

◆メリット◆
・組織的な犯罪・事件の解明に有効
・より重要な犯罪の捜査の進展に役立つ情報を得ることができる 等

◆デメリット◆
・自らの刑事処分を軽くするために無実の他人があたかも事件に関わっているかのように供述する「引き込み」の危険性
・検察官による脅しや、被告人の知識不足で罪状を認めてしまうことがあり、冤罪を起こしやすい
・取引であるため、優秀な弁護士を雇える金持ちが有利な取引を行いやすく法の下の平等に反する場合がある 等



〈輪読〉『モール化する都市と社会』第4章

問い:
SC・SM はその内外に何をどのようにもたらしているか?

答え:
内部⇒「均一な多様性」によって他 SC・SM と似たような経験しか出来ないが、また同時に異郷に行っているような経験もできる、つまり「開かれた閉じた世界」が構築された。そして、そのメカニズムを支える建築工夫に「巨大性・透過性」が挙げられる。(1 節〜4 節)
外部⇒SC・SM の周囲にその内部特性が反映されつつある。(6 節)

本書で使われていた(SC・SMは)「開かれた閉じた世界」という表現に、疑問を抱く人が多かった印象です。この章ではそのようなメカニズムとしてのSC・SMのもつ特徴について語られていました。

問題提起:
(参照:本書P201、13行目)
SC・SMは「均一な多様性」という特性によって、既存の商店街にあったような店一つ一つの「多様性」や「個性」を無くしてしまっている。しかし、郊外の人々は「多様性」や「個性」を求めておらず、「均一な多様性」の中で多様な商品を買えることで十分に満足している、と筆者は述べている。このことを踏まえた上で、郊外の人々にとって「多様性」や「個性」ではなく、「均一な多様性」のみで満足なのか?

この問いに対して、おもしろかった意見が「満足している。なぜならば、知らないモノは欲せないから。」という意見でした。限られた選択肢の中であったとしても、人々は満足しており、与えられた選択肢の中で欲求が生まれてくるといったものです。

ーーーーーーー5限ーーーーーーー

〈ニューススピーチ2〉担当:宮本
◆問題提起◆
日本でオンライン書店による無料配送を禁止すべきか。

◆メリット◆
・小規模書店の保護に繋がるから
・出版社との力関係が改善されるから
・宅配業者の負担が軽減されるから 等

◆デメリット◆
オンライン書店の企業努力を害するから 
・消費者の負担が増えるから
・零細書店の温存に繋がるから 等



〈卒論1〉担当:長堀
◆テーマ:日本企業の経営体系から見る企業スポーツの役割の変遷

【問い】
日本の企業スポーツの役割は、企業の経営体系とどのように結びつきながら変遷してきたか。

【仮説】
戦後〜高度経済成長にかけて企業スポーツは、日本的経営の特徴(終身雇用など)を反映して「社内の一体感、愛社精神」を産出する役割を持って誕生、興隆した。しかし、日本的経営の終焉によって企業スポーツは、企業にとっての「大きなコスト」としてのしかかり、メインバンクや株主の意向によって解散(衰退)を余儀なくされた。だが近年、株主資本主義の弊害として不祥事が相次いだ企業は、企業スポーツに対して「社会的責任を果たす」役割を期待するようになり、企業スポーツは再興隆した。

 海外との比較を踏まえた上で、日本における企業スポーツという文化の特殊性を明らかにしてくれたおかげで、論文の焦点が見やすくなったのではないかと思います。ドラマ:ルーズヴェルト・ゲームでも企業スポーツが取り上げられていたため、企業スポーツというものが想起しやすかったです笑

〈卒論2〉担当:宮本
◆テーマ:美術・芸術の消費 現代日本における変容過程とそれを規定する諸要因の関係

【問い】
現代における美術・芸術は、どのように消費されてきたのか。

【仮説】
言語活動として、つまり「美術・芸術」というコードに従い、それが(再)生産される形で営まれてきた。そのコードの様相は、「モダン・アート」、「コンテンポラリー・アート」、「ポスト・コンテンポラリーアート」の3つに大別される。それらの諸様相は、それぞれの時代において、その次代における現実的・社会的要因を受けて発現し、並存してきた。

 20世紀最後の巨匠と名高いバルテュスの絵画を冒頭に示してくれました。
 前回と比較すると、問題点の焦点が絞れてきたのではないかという印象を受けました。しかしながら、まだオーディエンスの理解を得るのに苦慮しているそうなので、初見者でも分かる内容にしていくには更なる分かりやすさが求められるのかもしれませんね。


 さて、今日はここまでです。
 再来週には、前期最後のディベートを控えています。前期最後ということで、是非とも一人でも多くの3年生がベストディベーターに選ばれるよう、熱心な準備と気迫ある発現を期待したいですね笑

 次の日誌は、宮本君です。最近、百貨店の品出しのアルバイトを復活させたらしく、プロレタリアートさを感じている模様です。


 それでは、また!