6月21日 ゼミ日誌

こんにちは。21期の多田です。

私事ですが、6/21にワクチン接種をしました。最近のワクチン接種は長蛇の列になっているようですが、その日は初日だったため、待ち時間なく打ってもらうことができ、ちょっとお得した気分でした。

しかしワクチン接種をしてから体調が悪くなり、寝込んでるうちにブログを更新するのを忘れてしまっておりました。大変申し訳ございません。

 

さて、6/21のゼミではニューススピーチ1本と輪読を行いました。

 

ニューススピーチ《企業は男性の育児休暇を義務付けるべきか?》

2021年5月9日朝日新聞朝刊の「育休法改正 「男性も育児」の一歩に」という社説の内容について議論しました。この育休法の改正では、男性が通常の育休とは別に育児休暇を取る制度が設けられ、またその際には意思確認を行うことが義務付けられる、といった変更が行われます。

今回の議論の中心はやはり男性の育児参加についての内容で、賛成派の人たちの意見としては、男性の育児参加が進む、男女平等につながるといった意見が挙げられました。

一方で反対側の意見では、この制度で本当に男性が育児参加するのか、といった疑問の声や、働きたいのに休まなくてはならない人が出てくる、中小企業の人手不足、といった経済的な観点からの意見もありました。

個人的には現在出来上がっている育児は女性が担当するもの、という考え方は自然に変わっていくことは難しいと思っているので、このような制度を通じて無理やりにでも変えていかなくてはならず、その点からこの育休法改正は意義のあるものなのかなと思います。

 

輪読《株式会社の世界史 「病理」と「戦争」の500年》 第三回

現在輪読を行っているこの本は著者の平川克実さんが自身の会社経営の体験をもとに執筆したもので、よくある経済学の本とは違い、株式会社という存在そのものに疑問を投げかけています。

今回の6章〜8章の内容では、現在の株式会社の経済合理性に対する問題、それから株式会社で働く人間について述べられています。

・株式会社の目的は利益を創造することが最も重要であり、そのために取引先や下請けといった外部に負担を押し付けたり、時には法を犯すようなことをしてでも経済合理性を追求する。これは株式会社の所有と経営が分離してしまったことで、所有者である株主が利益にしか興味を持たなくなった結果である。

・株式会社で働く人間は必ずしも経済合理性のみを持っているわけではないが、会社の人間として利益を追求する行動をとる。それは会社に帰属し、ひいては社会に帰属しているという幻想を人々に持たせることによってなされている。日本では会社を家族と同じような共同体として捉え、核家族化が進み従来の家族という共同体が崩壊した後も会社ではお家風土が残り続けた。

 

株式会社の不祥事が起こるのは株式会社が利益を追求するということを至上命題にしており、それに歯止めをかけるべき人間も株式会社という共同体に所属することで会社のために動くことを強いられるからだと説明されています。利益を求めることが株式会社に本来的に備わっている性質だとしたら、不祥事というのはこれからも起こり続けるのでしょうか。それを抑制できるとしたら会社を国家や国際的な枠組みでの制限しかないと思うのですが、近年のGAFAに代表されるような巨大企業は国家を超えた力を持ち始めているようにも感じ、これから歯止めが効かなくなる可能性も大いにありうると思います。自分が何かできるような規模の話ではないですが、少なくともいいように操られないよう、頭の片隅に置いておこうと思います。

 

皆さんも会社ってなんだ?というような根本から考えを始めると、それまで当たり前と思っていたことが違う見え方をするかもしれないですね。