10月13日(木) ゼミ日誌

先日、幻の湖をみて癒されてきた11期あべです。
行けて本当に良かったです☆ あわちゃん計画ありがとうございました。
勝手にぴかさを使いましたが…許してください。
気になる人はご覧ください☆ 特にこもりんとか。


3限●輪読
4限●三田論中間報告


●輪読

今回から新しいテキストに入りました。
ソースティン・ヴェブレンの『有閑階級の理論』(1899年)です。
ゼミでは、高哲男さん訳の筑摩書房(1998年)のものを扱います。


この本を読めば、労働と消費をめぐるものの見方の変遷について理解できるようです。
たびたび出てくる「制度」という言葉ですが、ヴェブレンの使うこの言葉には「集団的な人々のものの見方(心理、認識など)」の意味も含まれていて、
さらに、時代が違えば、理解すべき生活上の問題もその目的も異なるため、人々の関心の在り処もものの見方も変化することから、
ヴェブレンの言う「制度」は時代ごとに変化していくという点に気を付けて読み進めていく必要があるようです。


第一章 序説 (あかざわ・あべ・かとう・すぎはら・つちや)


問い:有閑階級という制度はいつ、どのように発生したのか。
答え:原始未開状態から野蛮時代へと移行する間、非生産的職業と生産的職業が明確に分化し、
その上で、製作者本能に基づいて、前者が尊敬に値する高貴なものであると判断されることでもたらされた。


レジュメをそのまま貼り付けられたらどれほどよいか;
わかりやすくなることを願って、答えを繰り返すと…


いつ:
  ・共同社会=野蛮時代の文化が高度化した段階  【好戦的な生活習慣】
               ↑↑移行↑↑ …このとき!
  ・共同社会=原始未開の段階  【平和愛好的な生活習慣】


どのように:
   ①職業の区分が明瞭になる  《 非産業的な職業 / 産業的な職業 》 
                                   ↑ハッキリ区分!
   ②製作者本能が働き、“非産業的な職業=尊敬に値する高貴なもの”であると判断される 
                      《 非産業的な職業 > 産業的な職業 》 
                                   ↑優劣がつく!
   ③以下の条件が満たされ、産業的職業からの免除される階級(=有閑階級)が発生する
     ・社会が略奪的な生活習慣から構成されていること
     ・社会全体としての余剰が存在していること(生活必需品が容易に入手可能)
           → すべての人々が「生」のためだけに働く必要がない

  
 ★製作者本能(ワークマンシップ)って?
   …人間はあらゆる行為規範の中に具体的で客観的、一般的な目的の達成を望む主体
     ◎効果的な仕事 ⇔ ×無駄な努力
     ◎有用性や効率性 ⇔ ×不毛性、浪費、無能さ
 これを人間が本来持ち合わせているものであるとして話は進んでいきます。
 しかし人間は本当に製作者本能を持っているのかについては、実際のところ現在でもよく議論されているとか。今回は時間の都合上、議論は持ち越されましたが、この本全体を通しての問題なので、また改めて話し合う機会がありそうです。


問題提起
・現代の日本において、有閑階級は存在しているか


プロスポーツ選手とか、ニートや引きこもりは、ある意味有閑階級として捉えることができるのではないか。(ニートや引きこもりは、労働が免除されているわけではないが、働かなくても生きてゆけるという意味では同じなのでは?)
という話題から始まり、その他、地主や石油王などについても、職の内容や働く意味、その見られ方(尊敬される・されない)など、論証にあった職業の区分が進んできた経緯をさかのぼりつつ労働観変化について議論しました。



●三田論中間報告


完成まであと1か月をきりましたね!
今年の冊子の表紙は誰が担当するのかな…(゜゜)?
ファッション誌の立ち読みを欠かせない私としては、どんな三田論が出来上がるのかとっても楽しみです☆


問い:女性ファッション誌を中心とした女性誌は消費者との関係においてどのような変化を遂げてきたのか?またその変化から何が見えるのか?
仮説:出版社優位から消費者優位へと変化した。
そこからみえることは ①消費社会の進展 ②女性の社会進出の進展 ③異性への意識の変化


仮説を証明するために二方向から分析中。
(1)外から=雑誌自体を分析 (→①がみえる)
(2)内から=雑誌の内容を分析 (→②③がみえる)


(1)雑誌の需給関係やジャンルの多様化を見る
    例.1990年代に創刊部数が激減→供給が需要を上回ることを示している可能性がある

(2)雑誌の記事をジャンルに分類して数をカウント、企画の取り上げられ方や表紙モデルにも注目
    例.読者アンケートを基にした企画の登場


・出版社優位や消費者優位がどんな状態を指すのかをもう少し明確に示せるといい、
・記事のジャンルとして「ライフスタイル」として分けられたものを、出版社優位の表れとしてとらえている(←現時点で)のはなぜか、
など、アドバイスや指摘が飛び交いました。


詳しくは…完成形をぜひ三田祭で確認していただきたいです!
ゼミ選びに悩んでいる2年生、OB・OGの方々、興味を持ってくれたみなさん、
完成した論文をご覧に、三田祭では平ゼミブースまでいらして下さい☆