12月23日 ゼミ日誌

皆さんこんにちは。平野ゼミ21期の多田光伯です。

今年のゼミも本日で最後になってしまいました。年明けも数回ゼミを行ったらすぐ卒業になってしまいます。卒論もまだ完成していませんし、まだまだ忙しい時間は続きますが、残り時間が少ないことを実感して寂しい気もしています。

 

さて、本日は先生のご都合により4限目のみのゼミでした。内容は①ニューススピーチと②輪読『消費社会の神話と構造』のまとめの議論の2点でした。

 

①のニューススピーチは中絶薬の是非についてでした。海外では妊娠中絶薬を安価で手に入れることができるようになっており、日本で行われている手術による中絶に比べ身体への負担も少ないとされています。それを踏まえて日本でも中絶薬を製造販売するべきか、というものです。

 

YES側

・例えば望まない妊娠が発覚し、産まざるを得なくなるといった様な状況を回避できる

・入手しやすくなれば乳児遺棄などの事件を防ぐことができる

 

NO側

・望まない中絶を強要される可能性がある

・医療体制の整備が十分でない

・妊娠に対するハードルが下がってしまう

 

などの意見が出ました。

個人的には「便利」と「安易」の区分が難しいという意見です。確かに便利になって必要な時にすぐに手に入ることは大事ですが、それは裏を返せば、安易な使用であったり中絶薬の使用を前提としてしまうなどに繋がってしまう危険性もあり、どこまでのメリットをとるのかというのは日本という国が向き合う問題であると思います。そしてリスクを減らすには周辺の制度を整えることも重要だと感じました。

SNSなどでも議論されているのを見かけるので、引き続き注目していきたいと思います。

 

輪読『消費社会の神話と構造』のまとめの議論ではまずゼミ員のまとめと批評を話し合い、それから先生による総括をしていただくという流れでした。先生によると、全員概ね本書の要旨は理解できているとのことでした。ちゃんと読めていて良かったです。

ボードリヤールが述べていた記号消費という考え方は興味深いものだと感じます。実際に輪読を始めてから、生活の中にブランド品などの記号の存在があり、それによって差異化をはかっていることを気づかされることがありました。しかし一方で、彼の主張には極端な部分もあると感じていて、それは当時と現代の時代背景が違っていることで生じるものなのかもしれません。

現代はモノが飽和してからさらに時代が進んでおり、豊さの指標も変わっていれば、SDGsなどの新たな消費の視点も生まれてきています。それをボードリヤールの主張に取り入れてアップデートされた、新たな論理が求められているのかもしれません。

 

文章が非常に難解な部分もあり苦労しましたが、新しい視点もあり新鮮な気持ちで読むことができました。この本を読了できたのは自分にとって大きな自信になりました。

 

今回で年内のゼミ最後、輪読も最後ということでひとまずの区切りです。来年もゼミを楽しく過ごし、無事に卒業できるように頑張ります。

 

ここまで読んでくださりありがとうございました。

みなさま、どうそ良いお年をお迎えください。