こんばんは!21期の尾下です。
ゼミ日誌は久しぶりになってしまいましたが、今日は新3年生を交えて今期初のゼミ活動でした。
今年度は去年と異なり基本三田キャンパスでの活動となりますが、コロナ対策のため教室の窓と扉は開けっ放しです。窓からは冷たい風が吹き、隣の教室からはジャズが聞こえてきたりと中々カオスな空間でした。。
本日は NS1本を扱った後に、三浦展『第四の消費』(2012)について輪読をしました。
◇NS
早急に電子契約にも印紙税の課税を行うべきか?
○Yes側
・税収の確保
・税負担の公平性
○No側
・デジタル化の妨げになる
コロナ禍で在宅勤務が増え、web上の電子契約の利用が広まったことから挙がったようです。法律上は非課税と解釈されていますが、ゼミの議論では今のデジタル化の潮流に基づいて意見が分かれました。
YES側は電子でも紙でも一律課税の方が分かりやすく、効力的にも公平性が保てる点、
NO側は政府がテレワークを進める中で課税はおかしいのではないかという点で議論が行われました。
平野先生は、印紙税ができた背景や法律の便益について挙げ、またデジタル化の遅れは本質的には課税よりもインフラ面(教育、回線など)といった観点を挙げられました。
第 1 章 消費社会の四段階
問い:消費社会はどのような段階に分けられるか
答え:第一の消費社会(洋風化、大都市志向)、第二の消費社会(大量消費、家族消費)、
第三の消費社会(個人消費)、第四の消費(各消費社会が重層的に繋がっている)に分けられる。
第2章 第二の消費社会から第三の消費社会への変化
問い:第二の消費社会から第三の消費社会はどのように変遷していったか
答え:消費の個人化が進み、人々は消費に自分らしさを求めるようになった
批評
・自身の主張を裏付ける具体例(広告や雑誌の一説)の引用は多く見られたが、その主張(消費社会変遷の過程)にたどり着くまでのデータの引用が少ないため、論理の飛躍がある
・第二の消費社会において、日本企業のマーケティング力が伸びなかったという筆者の考えの根拠となる資料はないのか。
・第三の消費社会での消費者は、流行やマスコミに踊らされることなく自分の好みに敵った生活のスタイルを作って行く、能動的・創造的存在と述べられている
→ではなぜカタログでファッションなどの流行を追うのか?
・インスタント食品などの中食の利用によって個食化が進んだと述べられているのにも関わらず、中食の台頭は家族や友人とのつながりを求めた結果であると述べられている
→中食によってどのように友人とのつながりが深まったのか?
問題提起
【筆者によると「若者の関心は、政治の代わりに消費に向かった(p.47)」 そうだが、政治から消費という項目に関心が移るのはなぜか?】
仮説:ものを買うと幸せになれると思う傾向が新人類世代にも受け継がれているため、政治に関心がなくなった時にものを買う消費へと関心が移ったのではないか。
問題提起の政治と消費に関して、団塊世代の社会を変えたい思いから生じた学生運動が挫折した結果、今の社会で豊かになる、消費することに興味が向いたという意見であったり、また平野先生は政治から娯楽に目を向けさせる3S政策、パンとサーカスの事例などを挙げられました。
3年生にとっては初の輪読でしたが、レジュメも整理されていて批評も鋭いものばかりでした。今後に期待しかないです、、!お疲れ様でした。
21期 尾下