12月26日 ゼミ日誌

新年おめでとうございます。16期の村井です。

年を跨いでの更新になってしまい申し訳ありません。

常にギリギリを狙ってくるチキンレーサー池浦君が繰り広げる、デッドラインとの白熱したバトルは必見です。

それでは、明日やろうの池浦君に引き続いて12月26日のゼミの振り返りをしたいと思います。

26日のゼミは4年生の卒論報告を3つ行いました。


〈卒論報告〉

宍戸 「メディアが語る谷中におけるイメージの変容とオーセンティシティ論への考察」

問い:戦後、台東区谷中はメディアによってどのように語られ、どのような形で実存的オーセンティシティ(ノスタルジア)が喚起されてきたか

結論:
・第一期(戦後〜1960s)…寺町情緒を残す場所として、墓地や史跡・文学作品の舞台になった
・第二期(1970s〜1990s)…古き良き伝統を伝える、下町情緒を残す場所としてフォーカスされた
・第三期(2000s〜)…昭和の面影を残す場所として、ノスタルジア喚起の対象が広がった

最初の発表は宍戸君でした。彼は、谷中に対して付与されてきたイメージがどのように構築されて来たのかについて、新聞記事と雑誌記事を質的に分析することで得られた結果をわかりやすくスライドにまとめてくれました。
諸要因の分析も考察スライドで見やすく図示してくれましたね。
残りの時間で、イメージ変化の社会的要因をいかに説得力のあるものにできるかが勝負になってきそうですね。



二番手はハッシーでした。

橋本 「日本の宅配便の特徴」

問い:日本の宅配便にはどのような特徴があるのか。また、その特徴を生み出した要因とは

結論:1976〜1997の成長期には、消費者と供給者の双方向の「おもてなし経営」が行われていたが、1997〜2007の確立期にはサービス提供者による一方向の「サービス経営」が行われるようになった。2007〜の成熟期には、「おもてなし的経営」へとシフトしている。


そのほかにも、時間指定宅配の利用率の低さについて、成熟期を代表するオーバースペックであり、消費者との双方向のコミュニケーションが失われつつある一例という考察は非常に興味深いものでした。
また、おもてなしとサービスの違いを明確に描出した点や、社長へのインタビュー記事を通じて経営コンセプトの変容を分析した点は非常に高評価でした。
変化の要因をいかに結論と結びつけるか、おもてなし的経営とおもてなし経営の相違点の言語化などが今後の課題として提示されました。



最終報告の大トリを務めたのは私、村井です。

村井 「図書館のサービスモデルから見る公共性の変遷」

問い:公共図書館に求められた公共性はどのように変化してきたか。また、その変化を促した主体とは何か。

結論:第一期(戦前〜1950s)は国家の影響下で、国民を教育するofficialな機関としての側面を持っていた。第二期(1960s〜1980s)では、高度成長下で大衆のニーズの高まりに対応してopenな娯楽施設が追求された。第三期(1980s〜現代)では、地域コミュニティの核(common)としての図書館が求められている。

発表が終わった後のみんなのキョトン顔が印象的でしたね。
やはり公共性の三つの側面(official,open,common)について自分の考えがオーディエンスに明確に伝わっていなかったようで混乱させてしまいました。
公共性の定義をより明確に言語化することに加えて、変化の要因に関して実際の図書館経営者の発言などから、現場の問題意識を読み解くことなどをアドバイスして頂きました。



最後は、論文の書き方・修正点などに関して先生から軽くレクチャーを頂きました。脚注のつけ方や章構成のバランス、細かい言葉使いなどについてです。一月末の最終稿提出に向けて、指摘されたことを踏まえつつ改良を重ねたいと思います。


ゼミ活動も残り回数が片手で数えられるほどとなり、卒論もいよいよ最終調整の段階へと入りつつあります。
限られた時間ではありますが、気を抜かずにゼミ活動の有終の美を飾ることができるよう邁進したいと思います。

次回の更新は1月12日(木)です。16期のガッキーことムイちゃんによる爆速ゼミ日誌に乞うご期待です。