9月14日 夏合宿1日目

こんにちは!
15期の霜鳥です。
遅くなってしまいましたが、合宿一日目の日誌です!

◎卒論中間報告(4年生)

・五十嵐さん
[問い]
箱根駅伝はどのような日本社会を反映してきたか
(駅伝、社会背景、ヒーロー、メッセージの4観点の仮説)

[仮説]
1920〜1945年「駅伝誕生」
社会背景は富国強兵・近代化政策、ヒーローは特に無し、メッセージは欧米に追い付け追い越せ。
1945年〜1970年「戦後の駅伝(1)」
社会背景は敗戦後の復興・高度経済成長・画一的、ヒーローは昼田さん、メッセージは精神力
1970年〜1990年「戦後の駅伝(2)」
社会背景はオイルショックバブル経済・健康志向・個人化、ヒーロー、メッセージは現段階で分析中
1990年〜現代「テレビでの駅伝」
社会背景はバブル崩壊・共同体志向・高齢化社会、ヒーローは柏原さん、メッセージは伝統・繋がり

・石川さん
[問い①]
ミュージカル映画盛衰の要因とは何か?

[仮説]
仮説①
29年に誕生、不況の波を忘れさせてくれる華やかさにより、一大ジャンルへと成長。主要大衆娯楽の映画を受容するだけであった観客が郊外化やテレビの台頭などにより、47年頃から減少していく。また、映画会社の垂直統合解体により、製作システムが一本化せず量から質へと作品が転換していったが、ヒッピーや人種・性差別解放運動の時代にそぐわず保守的な大衆娯楽としての表層を貫き、85年に衰退。

[問い②]
またその過程でミュージカル映画における恋愛、家族関係、アメリカの描き方の変遷はどう変わっていったか?
(恋愛・家族・アメリカの3観点の仮説)

[仮説]
『恋愛』29年時の登場からプラトニックな恋愛と恋愛=結婚、周囲の干渉ありといった社会性の強いものであったが、1953年からプラトニックでない恋愛も登場。また、40年代後半から恋愛=結婚というスタイルも崩れていき、60年になると同性愛の肯定が見受けられる。70年代には性に奔放な恋愛が登場し、ミュージカル映画の保守性との矛盾が見られるようになる。
『家族』
初期から浮気や離婚のない理想的な夫婦像が描かれる。新婚や子だくさんな円満な家庭像が続いていたが、53年〜離婚した夫婦、55年から関係が冷え切った夫婦が登場。結婚しない独身貴族も目立ち、50年代から理想な家族像は崩れていった。
アメリカ』
未来への夢と希望を謳うハッピーエンドの作品の系譜はミュージカル映画誕生当初から80年代後半まで受け継がれている。
70年代からバッドエンドの映画も登場。39年から郷土愛思想が盛り込まれ、40年代に全盛期を迎えるがその後衰退。
一方で豪華絢爛な豊かさ誇示の傾向は初期から特徴としてあったが、第二次世界大戦後冷戦によってさらに強まっていく。
70年代になり、ミュージカル映画が下火になるまで豊かさの誇示の傾向は続いた。


◎ニューススピーチ(内藤くん)
 「首ひねる独自マッサージ後乳児死亡 NPO代表任意聴取」

問題提起:NPO法人を認証主義から許可主義にすべきか。
 【賛成】
 ・NPO自体のネームバリュー(信頼など)を高めることは大切
 ・このような事故を減らすことにつながる
 ・寄付金を搾取している団体を減らすことにつながる

 【反対】
 ・NPOの数が減ってしまう
 ・反行政的なNPOが設立されにくくなってしまう
 ・NPOの本来の目的は政府ができないことをやるため、許可制にして政府の監視の目が入ってしまうと、本末転倒
 ・許可主義にしたところで、事故がへるとは限らない 
 
◎卒論中間報告(4年生)

・石田さん
[問い]
欧米ではすでに台頭しており、なおかつ日本の現代社会のニーズに合っているように思える格安航空が、なぜ日本においては苦戦しているのか。

[仮説]
日本の機内サービスは、物質主義的な物的サービスと伝統文化に則った人的サービスが融合している。それは日本の現代社会に対しては前者、欧米に対しては後者の点で独特な文化を形成しており、格安航空のサービスモデルとも乖離しているため。

◎ニューススピーチ(中澤さん)
 「年明けにも外国人解禁 家事代行、普及に壁」

問題提起:日本は、外国人の家事労働者を受け入れるべきか。
【賛成】
・家事負担が減り、女性の就労が促される
・今後、外国人労働者を受け入れる下地になりえる
・サービス利用の是非は利用者が考えれば良い

【反対】
・そもそも、需要がない
・コミュニケーションがうまく取れなく、トラブルが発生しかねない
・家事代行サービスの供給は日本人の中で充実させるべき

◎卒論中間報告(4年生)
・石塚さん
[問い①]
女性の喫煙行動は社会の中でどのような意味をもってきたのか。

[仮説]
戦後、「女性=半人前」という社会規範に反対し、男性の象徴である「喫煙」を行おうとする女性は、社会から否定的に「逸脱行為」として認定される。1980年代以降、女性の社会進出が進み、「女性の社会進出」が社会的規範とみなされるようになるにつれて、女性の喫煙を肯定的なものとしてとらえるようになる。2000年を過ぎ、タバコの害が一般的に広まると、性別を問わず喫煙行為そのものが「逸脱行為」とみなされるようになり、女性の喫煙行動も「逸脱行為」とみなされるようになった。

[問い②]
未成年の喫煙行動は社会のなかでどのような意味を持ってきたのか。

[仮説]
戦後、社会的規範の明確な社会では子供たちの喫煙など非行は「社会的逸脱」として絶対的な悪とされた。1960年代以降高度経済成長が進むにつれて、「喫煙=悪」という規範が薄れ少年・少女たちの喫煙は増加。喫煙の原因を、少年・少女ではなく、社会にあると考える傾向が強まっていった。2000年代になり健康的リスクが広く認知されるようになると、少年・少女たちは喫煙行動を「逸脱」ととらえるようになった。
合宿は静岡県熱海市に行ってきました!
一日目の内容は4年生の卒論報告とニューススピーチが中心でした。
最後に、翌日に行われるディベートのお題を、夏の課題図書の「それをお金で買いますか」(マイケル・サンデル)を元に以下の通りに決めました!
① 成績があがった子にお金を与えるべきか
命名権(パトカーの車体を広告スペースとすべきか)

ルールとして、インターネットで調べないというものと、普段のゼミで行われているディベートとは異なるものがいくつか導入されました!

二日目ははるちゃんです!