こんにちは、11期の赤澤です。
最近は本当に寒いですね。私は風邪をひいてしまいました。1人暮らしの風邪というのは精神的にも辛いものがありますね。
さて、それでは本題に入りたいと思います。
【4限】 〜4年生による卒論最終報告〜
4限の小守林君の発表の際には、なんと6期の齋藤愛先輩が見学に来て下さいました。本当にありがとうございました。
「絵本から見る子ども観」 小守林秀太
・問い
「絵本の持つ子ども観はどのように変遷していったのか。
また、絵本の子ども観は社会、教育とどのような関係を辿ったのか。」
・結論
「絵本の持つ子ども観は、①純粋無垢なこども、②1人の主体としての子ども、③1人1人異なる子ども、
という変遷を辿った。
また、絵本の子ども観はまず社会と合致し、次に教育と合致した。」
福音館書店の『こどものとも』という雑誌を分析対象とし、そこから絵本の子ども観なるものを抽出し、社会背景、幼稚園教育要領との関係を見ていくという研究でした。
まず、絵本を分析対象としている所でユニークですし、非常に困難な作業だと思われる子ども観の抽出を自分なりに工夫しながら行っており、素晴らしい研究でした。
・問い
「人々はスポーツを行うことに対して、①どのような意味づけを与えていたのか
②また、それはどのような要因によるものか」
・結論
「1960年代〜1970年代 ①大衆娯楽として ②時代に遅れることに対する不安
1970年代後半〜1980年代前半 ①健康のため ②健康に対する不安
1980年代後半〜現在 ①自己実現のため ②自分自身にたいする不安」
その時代の人々の価値観を直接的に反映しているのがスポーツであり、世相を反映するブームは鮮明に価値観を反映していると捉え、スポーツブームから人々の価値観を探ろうという研究でした。
やりたいことが明確でわかり易く、また、分析方法に様々な工夫が加えられており、彼の人柄が伝わる誠実な研究でした。
【5限】 〜最終報告続き〜
「ゴルフマーケットの変化から見る企業と消費者の関係の変化」 佐藤広崇
・問い
「ゴルフ市場(ゴルフ場利用者数)はどのように変化したのか。
また、その変化はなぜ生じ、そこからわかることは何か。」
・結論
「①1960〜1992年(拡大期)国の余暇政策、大衆心理
②1993〜2005年(低迷期)経済低迷、環境問題、会員権問題、癒着、消費社会論
③2006〜現在(持ち直し期)外資系企業の参入、若手プロ台頭 」
拡大期には企業優位、低迷期には企業への信頼が崩壊から関係が希薄化、
持ち直し期には消費者優位になった。
ゴルフを題材に、その市場の変化の理由を明らかにし、そこから企業と消費者の関係の変遷を探るという研究でした。
データに基づく明確な研究意義からスタートしていることもあり、各要素の意味づけがしっかりとしている研究でした。
「清酒業の経営史」 米澤翔
・問い
「1970年以降、①清酒市場が縮小していく中で成長した清酒メーカーはどのよう
にして成功を収めたのか。②そこからわかることは何か。」
・仮説
「①ポストモダン化に伴う消費の多様化ということが注目され各企業はそれに
応じた戦略を採った。その中で実際にヒットした商品の共通項や企業戦略とし
て、高級志向・低価格志向・機能的価値志向といったことが挙げられる。
②各企業が1970年代から1980年代にかけて起こったと言われるポストモダン
化を意識しながらも、それとは相反して消費者の間ではモダン消費文化が主流
であった」
・結論
「企業がポストモダン的な戦略を採る中で、清酒の消費者はモダン消費文化のま
まであった。そこに合致したメーカーは成功した。
そして、清酒という嗜好品的消費財においてモダン消費文化を見てとれるとい
うことは、必ずしも1980年前後からポストモダンが優勢であったとは言えな
い。」
彼自身がこよなく愛する清酒をテーマに、清酒メーカーの社史からその経営を分析し、最終的に消費文化との関係性について考察するという研究でした。
メーカーは消費者がポストモダン的な思考へ変化したと思っていたものの、実際、消費者はモダンのままであったという結論は意外性があり、面白いものでした。
今回の発表は以上の4人でした。勘違いしている所がありましたら訂正するので言ってください。
今回は先輩に見学に来て頂きましたが、やはり、先輩に見て頂いているとなるといつもより緊張感があっていいですね。
※決して、いつも緊張感が無いという訳ではありません。
先輩方、来期からはどんどん見学に来てください。そして、ビシビシとご指導お願いします。
以上です。ありがとうございました。