12月1日(木) ゼミ日誌

どうも11期の米澤です。

おそらく自分で書く最後のゼミ日誌だというのに、担当であることに気づかず
書くのが遅れてしましました。ごめんなさい。猛省。

今回からオープンゼミということでさっそく2年生が2人も来てくれました!
そんなゼミの内容をさっそく振り返りたいと思います。

【4限】
●ニューススピーチ
「反就活デモに学生100人 東京」BYけんたあかざわ

問題提起
日本の企業は新卒一括採用をやめるべきか否か

けんたは一括採用による採用の容易さや、まだ社会に出ていない卒業したての真っ白な学生を採ることで、教育がしやすいなどのメリットからやめるべきではないという立場をとっていました。

議論の中では既存の仕組みによる学業への悪影響や、新卒一括採用をやめることで就活の時期が明確じゃなくなるため、前倒しやあるいは卒業後まで就活が長期化する恐れがあるなどの意見が出ました。

●輪読
A.R.ホックシールド『管理される心』第1章
担当者 寛史 聖英 菜織子 雄大 翔

問い
筆者は感情労働において何を問題視しているか
答え
巨大組織等によって感情の管理が統制されることで、感情のシグナル機能を失うなどの、人間としての生活における感情の役割が喪失されてしまうことを危惧している

今回から新しい輪読書『管理される心』に突入しました。この本はA.R.ホックシールドという「感情社会学」の分野を新しく切り開いた人によって書かれた本で、「感情」というものが社会の中でどのように扱われ、それが商業的場面、労働の場面に持ち出された時、どのようなことが起こるかについて主眼が置かれています。

そして本書で頻出キーワードになっているのが「感情労働」という言葉です。
一応簡単に定義を説明しますと、公的に観察可能な外見(身振りや表情など)を作り出すために行う感情の管理のことを指します。
わかりやすい(と思う)例として飛行機の客室乗務員であれば、お客様に快適なフライトを提供するため、たとえ嫌な客であっても自分の感情を抑圧・管理することで心からの笑顔を維持したりすることです。この時、客室乗務員は労働の一環として自らの感情を管理し、それと引き換えに賃金を頂いているわけです。

著者はこういった感情労働がいったいどのような問題をはらんでいるのか、そこに大きな関心を寄せているようです。

問題提起
(1)P9の*3「〜近年、この労働(感情労働)への需要は増加している〜」とあるが、近年(1983年時点において)感情労働が多く求められるようになった背景は何か?(以前はなぜそれほど必要とされなかったのか)
(2)感情は、生得的なもの(普遍的なもの)であるか、それとも文化によって変化しうるものであるか。

(1)に関しては日常生活における人間関係の希薄化がその要因となっているという意見であったり、産業構造的にサービス業が単純に増えたからではないか?という意見があったりしましたが、単純にサービス業が増えたからと言って説明するのは難しいことではないか、という先生のご指摘がありました。

(2)では日本人独特のもったいないという感情の存在や、あるいは「嫉妬」という感情も誰か他者がいなければ決して知ることのない感情であるから、文化によるものではないか、という意見がある一方で、「嬉しい」や「悲しい」という感情をどんな事象に抱くかに違いはあれど、生まれたときから何かしらに抱くのだから生得的なものではないか、などの意見がありました


【5限】
●ニューススピーチ
猫ひろしカンボジア国籍で五輪マラソンへ」BYあべ

問題提起
大会出場を目的とした今回のような国籍変更は、認められるべきか

あべちゃんは猫ひろしの出場による何かしらの経済効果を認めつつも、外国人が自国の出場枠を奪っていくことは現地選手のモチベーションを下げる危険性があるとの見解から、認めるべきではないとの立場でした

賛成派からはスポーツで国籍を変えたりすることは、その人が活躍できるフィールドに出る事であり、活躍したいと願う人にしてみれば合理的な行動なのだから認めてもよいとの意見がありました。
一方で反対派からは、その国にたいした所縁もない人が出ることは国民感情的にもどうなのか、という意見や、五輪が本来各国の威信をかけてスポーツで競争することが目的であるのを考慮すると、もし各国の代表が実質同じ国出身の人ばかりになってしまった場合に問題があるのではないか、などの意見が出ました。

●輪読
『管理される心』第2章
担当 春奈 健太 絢郁 祐輔 真

問い
感情はどのような機能を持つのか
答え
感情は自分・他者がどのような人間かを知る手がかりを発信するシグナル機能を持つ

第2章では感情のシグナル機能というものが重要な言葉となっています。
答えにも書いてありますが感情のシグナル機能とは、感情を通して自分・他者がどのような人間であるかを知ることができるという感情の情報伝達能力のことを指します。平たく言えば、どんなことに怒りや悲しみ、罪悪感を感じるのか、ということから自分という人間がどんな人間なのか、自分は今どんな状態なのかを知ることが出来るということです。

問題提起
(1)感情は人々を合理的な行為に向かわせることがあるのか?
(2)p.37「労働者としては、社会的操作技術が…..より多くの努力を傾けるようになる。」とあるが、本当にそうか?

(1)では感情に従うということは、その人にとって思う通りの行動なのだから感情は合理的な行為に向かわせるのではないか、という意見や、感情というのは一時の過ちというものを引き起こすことがあるからそうとも言えない、などの意見がありました。
一方で「合理的な行為」をどう捉えるかによって、つまり「個人にとって」合理的なのか、「社会全体で見て」合理的なのか、どんな立場から合理的と考えるかによって変わってくるのではないか、という意見も出ました。

(2)では、生活する中で我々消費者は、サービス提供者が心からもてなしをしてるかどうかなんていちいち気にしてはいない、という意見や、サービスが提供される場面(コンビニであったり飛行機であったり)によって変わってくる、という意見などがでました。

個人的には今の世の中では、「本当の」心からのサービスと、あくまでマニュアル的なサービスといったいどちらが強く求められているのか気になるところです。




以上で12月1日のゼミ内容は終わりです。

ちなみにゼミ終わりに誕生日のお祝いを企画の虎岩くんがしてくれました。
僕(←誕生日が12月8日)のお祝いかー、と思ってわくわくしましたが、なんと10月11月の誕生日の人のお祝いでした。
祝われた人は「今頃かよ!」という忘れたころによるお祝いサプライズ。12月生まれの人からすれば「違うんかい!」という期待を裏切るサプライズ。まさに二重のサプライズでした。笑