11月28日(月) ゼミ日誌

こんばんは!11期の宮本です。

ゼミ内のスマホ人口が増加の一途をたどる中、まだまだガラケーで頑張っていくと心に誓いました。

では、11月28日のゼミを振り返ります。


①ニューススピーチ by さっしー

「説明書の欠陥を否定 イレッサ、国・企業の責任なし 東京高裁判決」(11月16日 朝日新聞

【記事概要】
イレッサとは…
  肺がん治療薬。2002年7月の承認・販売直後から、投与された患者が間
  質性肺炎で死亡するケースが相次いだ。説明書には、副作用で起きる間
  質性肺炎で死ぬ可能性があるとは明記されておらず、「重大な副作用」
  の欄の4番目に記載されていた程度であった。
 
 →この説明書において、製造物責任法に基づく「指示・警告上の欠陥」があったかどうか今回の裁判の争点に。

 →東京高裁は、「投与を決める医師は、添付の説明書で副作用の危険性を認識できた」として、製造物責任法に基づく欠陥はなかったと判断した。


【問題提起】
 製薬会社・国は責任を取るべきか?(賠償金を支払うべきか?)

【見解】
 製薬会社・国共に責任を取るべき(賠償金を支払うべき)

  ①製薬会社
    あくまで「重大な副作用」欄の4番目の記載にとどめ、死亡可能性の表示をしないのは欠陥である

  ②国
    適切な記載を行うよう行政指導できていなかったため、少なからず責任はある


話し合いの中では、国・製薬会社以外にも、薬の効能を把握しておくべき専門家である医者、数ある治療薬からイレッサを選択した消費者(患者)にも、もしかしたら少なからず責任があるのではないか、という意見も出ていました。


②三田論まとめ発表 by 3年生

3年生、三田論執筆&三田祭お疲れさまでした!

三田論を振り返る、ということで、改めて最後にもう一度まとめの発表がありました。


テーマ:女性ファッション誌の変遷

【問い】女性ファッション誌を中心とした女性誌はどのような変化を遂げてきたのか。また、その変化の要因は何か。

【仮説】出版社から一方的に与える「憧れ」を喚起する啓蒙的な読み物から、成熟してきた読者のより個別的・現実的なニーズに寄り添った読み物へ変化した 
   →要因 ①消費社会の成熟 ②女性の社会進出の進展
  

(鄯)1970年代:『anan』『non-no』2誌集中
 外国人モデル、ライフスタイル記事の多さ、理想像としての男性観→他人志向型消費、未発展な女性の社会進出

(鄱)1980年代:上記2誌に加え、『JJ』、『CanCam』など、多様化
 外国人・日本人モデル、ファッション記事の増加、ライフスタイル記事減少、結婚・仕事に関する記事の多さ→記号論的消費、初期段階を迎えた女性の社会進出

(鄴)1990年代:更なる多様化(セグメント化)
 日本人モデル、ファッションと自分磨き記事増加、男は「選ぶもの」→「みんな」の消失と島宇宙化、急進的な段階を迎えた女性の社会進出

(鄽)2000年代:エクステンション化
 日本人(読者モデルも)、ファッションと自分磨き記事増加、女性が働くことが当たり前、恋愛における女性優位→わたしたち消費、現在並みの女性の社会進出


話の筋が通っており、うまく全体で1つの大きなストーリーになっていたのではないでしょうか。自分の卒論も、このように上手く説明がつくよう、頑張らなくては…。


③1970年代の消費社会について

1970年代の社会・風俗を知るために、「東京風景5 東京ホリデー 1971〜1980」というDVDを鑑賞しました。

銀座、新宿、原宿などの街の映像が淡々と映し出されていくもので、人々の生活風景がよく分かるものでした。パンダブームにテニスブームに竹の子族。卒論で1970年代の風俗を調べたりもしているのですが、実際に映像で見てみると、印象がかなり変わりますね。

このシリーズ、ぜひ1巻から鑑賞したいものです。


また、DVDの内容や1970年代に起こった出来事などを踏まえ、1970年代は1つの転換期であり、モダンからポストモダンへの移行が起こった時期だということを再確認しました。

【モダン】
  量的成長、画一化、大量生産・消費、都市化、組織化(管理社会化)、
  ケインズ主義

ポストモダン
  質的充実、差異化・個性化、多品種中量生産、郊外化、自由化(個人
  化)、新自由主義グローバル化


メディアを例にとると、

ラジオ・テレビ(画一的な情報、家族みんなで同じ番組) → ウォークマン(1979年発売、個人メディアであり、自分だけで聴く)

といった具合に、それぞれがモダン、ポストモダンの特徴を反映しています。1970年代、なかなか興味深い時代です。
 


振り返りは以上です。

次回のゼミからは、毎回がオープンゼミです。普段のゼミの様子を見てみたいという2年生、ぜひいらしてください!