6月27日(月) ゼミ日誌

こんにちは。11期の宮本です。

今日は東京でも気温が34度になるなど、本格的に夏が近づいてきていることを実感しました。

夏が近づいてきているということは、あれですね、テストやレポート提出もまた近づいてきているということですね。

そろそろ気を引き締めていきたいと思います。

では、27日のゼミを振り返ります。



≪4限≫

★ニューススピーチ by やまちゃん

福島県産の野菜、出荷制限を解除 警戒区域などを除き』
2011/6/24 日本経済新聞


問題提起:今後東北における放射能に関わる風評被害は収まるか?

見解:収まる

理由として…
 
 ・東北を支援しようという風潮

 ・東北以外でも規制値を上回る地域も出てきたことから、人々は産地に関わらず、報道されている放射能の検出値によって、客観的に危険性を判断していると考えられる

など挙げてくれました。


前回の先生からの提言(最近のニューススピーチは、新しい事業展開などが広まるかどうかを議論するという似たようなものが多い)を受けて、ニュースや問題提起を考えてきてくれたようです。


話し合いの中では、

 ・風評被害というのは本来、安全な商品が売れなくなってしまう現象を指すが、今回のケースは、実際に規制値を超える商品が出てきている以上危険がないとは言い切れないため、風評被害に当てはまらないのではないか

 ・毒入り冷凍ギョーザ事件の直後、多くの人は冷凍食品の購入をやめたが、今は皆普通に冷凍食品を購入している。そのケースと同じようになるのではないか

などの意見が出ていました。



★輪読
平川克美『移行期的混乱』by きよ、つっちー、えいちくん、かとちる、私

第4章 金銭一元的価値観への収斂 グローバリズムの跋扈


問い:グローバル化は日本にどのような価値観をもたらしたか

答え:全てを金銭という尺度で測るような金銭一元的価値観を生み出した


グローバル化や日本における雇用の変化を踏まえ、「失われた十年」を通して日本にどのような価値観が浸透していったのかを論証していきました。


※金銭一元的価値観:全ては金銭という尺度によって計測可能であるというアメリカ的考え方



問題提起:現代の日本では、本当に金銭が唯一の価値指標となっているのか

見解:そのようなことはない。

 例)スーパーであれば安い野菜が購入できるけれども、敢えて値段の高い馴染みの商店街で購入するということもある。その場合、金銭以外の人間関係などに価値を見出しているのではないか?


話し合いの中でプレゼンター同様の見解を出してくれた人もいたのですが、
プレゼンターの見解で出した例を取り上げ、「高いけど」と考えている時点で、それは金銭を基準に行動していることを意味しているのではという意見も出てきました。


そこからは、逆に日本では金銭が唯一の価値指標になっているという話に。

 ・バイト先を決めるときに時給を意識した

 ・バイトをしている時、仕事内容が時給に見合っているかを考えてしまう


などの意見が出てきました。


先生曰く、企業の価値を株価で判断するようになったり、学校を偏差値で序列化するなどあらゆるところに数値という指標が持ちこまれるようになったのも、「失われた十年」以降の傾向で、金銭一元的価値観が流入した影響ではないか、とのこと。


この回の輪読、問題提起が1つだけになってしまい、代替案も出せず本当に申し訳ありませんでしたorz

猛省。



≪5限≫

★卒論発表 by 私

『カフェ・喫茶店


概要:カフェ・喫茶店が日本に登場してから100年余り。カフェ・喫茶店を分析することで、カフェ・喫茶店が果たしてきた役割や、それだけでなく人々のライフスタイルの変化などが読み取れるのではないか。


問い:戦後のカフェ・喫茶店は、都市の中でどのような役割を果たしながら発展してきたのか。また、人々の社交形態にどのような影響を与えてきたのか(或いは、反映しているのか)

仮説:戦後〜1960年代 『(反体制的な人も含めた)若者のたまり場』
   1970〜1980年代 『こだわる人々のくつろぎの空間』
   1990〜2000年代 『女性の社交場』

論証方法:カフェ・喫茶店分析と、若者文化などの社会背景から役割を導き出し、さらにそこから都市社会学或いは消費社会論と照らし合わせ、社交形態を導き出す。


分析対象がいかんせん多いので、どうにかして絞っていきたいと思います。また、元々は社交形態ではなく都市の変遷を見ようとしていたため、社交形態がどういうものを指すのか、どうすれば導き出せるのか、など大いに再考の余地あり。先生がおっしゃっていた学生街の喫茶店に着目しても面白そう。

この夏は、たくさんのカフェ・喫茶店をひたすら分析します。
趣味のカフェ巡りと卒論研究ができて一石二鳥!とポジティブに考えてみる。


★卒論発表 by つる
『スポーツブームから見る価値観の変遷』

概要:ブームとは、ひとつの社会現象にまでなったことを指し、時代の雰囲気を象徴するものであることから、スポーツブームがなぜ起きたのかを考察することによって、日本の価値観の変遷について考えられるのではないだろうか。

対象となるスポーツ:見るスポーツではなく、自ら行うスポーツ。ボウリング、ジョギング、フィットネスなど。


今回の発表では、ブームと呼べるものがなかった1950年代と、1960〜1970年代前半におけるボウリングブームを取り扱ってくれました。1960〜1970年代前半は、高度経済成長に伴う生産力の増大、大衆消費社会の成立などにより国民がレジャーを享受、次々とスポーツブームが成立した時代だそうです。


☆ボウリングブーム
 検証方法:本業以外の経営参入企業の実態、テレビなどのメディアの取り上げ方(女性プロボウラー主体の番組など)
 発生要因:大衆社会の一員として時代に遅れまいとする意識によるもの、同調志向
 衰退要因:消費者が単に飽きた?


映画業界のリーディングカンパニーである東映が1969年には全国に13のボウリング場を運営していたというのには、驚きました…。

課題としては、本人も言っている通り1970年代後半以降の流れをどうするかがカギだと思います。1990年代以降の女性の台頭なんかは、やはり要因として大きいんでしょうね。しかし、どんなものを見ていきたいのか、どのような筋道を立ててやっていけばよいか、現時点で比較的明確なようで羨ましい限り。



ざっとこんな感じです。

おやすみなさい。