4月19日 ゼミ日誌

こんばんは!21期の尾下です。

ゼミ日誌は久しぶりになってしまいましたが、今日は新3年生を交えて今期初のゼミ活動でした。

今年度は去年と異なり基本三田キャンパスでの活動となりますが、コロナ対策のため教室の窓と扉は開けっ放しです。窓からは冷たい風が吹き、隣の教室からはジャズが聞こえてきたりと中々カオスな空間でした。。

 

本日は NS1本を扱った後に、三浦展『第四の消費』(2012)について輪読をしました。

 

◇NS

早急に電子契約にも印紙税の課税を行うべきか?

○Yes側

・税収の確保
・税負担の公平性

 

○No側

 

 ・デジタル化の妨げになる

 

コロナ禍で在宅勤務が増え、web上の電子契約の利用が広まったことから挙がったようです。法律上は非課税と解釈されていますが、ゼミの議論では今のデジタル化の潮流に基づいて意見が分かれました。
YES側は電子でも紙でも一律課税の方が分かりやすく、効力的にも公平性が保てる点、
NO側は政府がテレワークを進める中で課税はおかしいのではないかという点で議論が行われました。

 

平野先生は、印紙税ができた背景や法律の便益について挙げ、またデジタル化の遅れは本質的には課税よりもインフラ面(教育、回線など)といった観点を挙げられました。

 

◇ 輪読(三浦展『第四の消費』朝日新書、2012年)

 

第 1 章 消費社会の四段階

問い:消費社会はどのような段階に分けられるか
答え:第一の消費社会(洋風化、大都市志向)、第二の消費社会(大量消費、家族消費)、

第三の消費社会(個人消費)、第四の消費(各消費社会が重層的に繋がっている)に分けられる。

 

第2章 第二の消費社会から第三の消費社会への変化

問い:第二の消費社会から第三の消費社会はどのように変遷していったか
答え:消費の個人化が進み、人々は消費に自分らしさを求めるようになった 

 

批評

・自身の主張を裏付ける具体例(広告や雑誌の一説)の引用は多く見られたが、その主張(消費社会変遷の過程)にたどり着くまでのデータの引用が少ないため、論理の飛躍がある
・第二の消費社会において、日本企業のマーケティング力が伸びなかったという筆者の考えの根拠となる資料はないのか。
・第三の消費社会での消費者は、流行やマスコミに踊らされることなく自分の好みに敵った生活のスタイルを作って行く、能動的・創造的存在と述べられている
→ではなぜカタログでファッションなどの流行を追うのか?
・インスタント食品などの中食の利用によって個食化が進んだと述べられているのにも関わらず、中食の台頭は家族や友人とのつながりを求めた結果であると述べられている
→中食によってどのように友人とのつながりが深まったのか?

 

問題提起

【筆者によると「若者の関心は、政治の代わりに消費に向かった(p.47)」 そうだが、政治から消費という項目に関心が移るのはなぜか?】
仮説:ものを買うと幸せになれると思う傾向が新人類世代にも受け継がれているため、政治に関心がなくなった時にものを買う消費へと関心が移ったのではないか。

 

問題提起の政治と消費に関して、団塊世代の社会を変えたい思いから生じた学生運動が挫折した結果、今の社会で豊かになる、消費することに興味が向いたという意見であったり、また平野先生は政治から娯楽に目を向けさせる3S政策、パンとサーカスの事例などを挙げられました。

 

3年生にとっては初の輪読でしたが、レジュメも整理されていて批評も鋭いものばかりでした。今後に期待しかないです、、!お疲れ様でした。

 

21期 尾下

11月12日 ゼミ日誌

こんにちは、21期の森上です!

更新が遅くなってしまい、申し訳ありません。

最近、人生で2,3度目かの40度台の熱を出しました。

このようなご時世なので直ぐに病院で検査したところ、陰性だと判明し、一安心しているところです。

体調管理には気を付けなくてはと改めて思いました。

 

本日のゼミ内容は、NS1本『プロテスタンティズムの倫理と資本主義の精神』の輪読でした。

 

【NS】

問い:爆破予告に対して、上智大学の対応は正しかったのか

YES側

・愉快犯の可能性が高い

NO側

・安全性が保障されない

 

YES側とNO側両方とも、大学の対応は中途半端だという意見は一致していました。「爆破予告を完全に無視し、通常通り授業を行うべき」もしくは「一日中授業を無くすべき」といった意見がほとんどでした。

 

【輪読】『プロテスタンティズムの倫理と資本主義の精神』2章1節前半

問い:

カルヴィニズムの特徴的な教義である予定説は、人々にどのような影響を与えたか?

答:

神によって救済されるものが定められているとする予定説によって、人々は自分が救われる存在であるかと疑問を抱いた。そのため、人々は救いの確証を得るために職業労働に従事し、禁欲的な生活を送るようになった。

 

今回の輪読範囲は、プロ倫で最も重要で、最も難解な部分でした。

救われるためではなく、救いの確証を得るために職業労働に従事するという考えは、ゼミ員全員共感しづらかったようです。。。

 

次回は、今年度初めてのディベートを行う予定です。

 

21期 森上

 

 

 

 

 

 

 

 

11月9日 ゼミ日誌

こんばんは、21期の尾下です!

更新が大変遅くなりました、すみません。

最近は寒さとマスクによる肌荒れがひどいです。zoomでは一人一人顔がはっきり見えるので、肌荒れが見えて不快に思われている方いたらごめんなさい。

11月9日は、2020年度平野ゼミ 初 オープンゼミでした!

オンラインの開催となりましたが、2年生も見学に来てくれました!

なお、ゼミ内容はNS1本と三田祭論最終報告1本でした。

 

【NS】

問い:日本でも郵便投票を普及させるべきか

YES  ・感染リスクを減らせる。 ・様々な投票スタイルにより、投票率が上がる。

NO  ・集計にコストと時間がかかる。  

    ・権力による投票妨害や、不正が起こる可能性がある。

今話題沸騰の米大統領選の話ですね。ゼミ員の意見はほぼ半々で分かれました。

YES側の意見としては、投票率の上昇はコストがかかっても本来の目的として最も重要である、といったもので、反対にNO側は公正さは担保されなければならない、コロナでも投票所は3密が回避されていた、といったものでした。

まさに今郵便投票の不正の疑いはニュースで取り上げられていますね。個人的にはその大混乱を見ているとNoにしたくなってしまいました。

 

【三田論最終報告】

3年で春学期から取り組んできた三田論も、ついに最終報告を迎えることが出来ました。初期のテーマ決めで迷走?していた時から、こうしてオープンゼミで2年生にプレゼンできるようになるまでの完成形になったのを見てほっとしています。

内容は前回の報告のフィードバックを受け、包括的考察を深め、その他見やすいように心がけました!先生もおっしゃっていましたが、全員に興味を持ってもらえるような研究・プレゼンを作るのにはなかなか苦労しました。2年生にも興味を持ってもらえたと思うので、執筆も頑張ります。

論文の本稿については、三田祭当日に平野ゼミホームページに添付いたしますので、

ぜひ閲覧していただけると幸いです!

 

以上がオープンゼミの内容でした。初のオンラインオープンゼミで探り探りではありましたが、2年生に興味を持っていただけたら嬉しいですね。

次回のオープンゼミは12月7日です!たくさんの2年生の参加をお待ちしております!

 

21期 尾下

 

10月29日 ゼミ日誌

 

こんにちは、20期の堀岡です。

更新が滞っていてすみません!

10月29日は、2020年度平野ゼミが対面で一堂に会する初めての回となりました!!

なお、ゼミ内容はNS1本と三田祭論文、卒論中間報告1本でした。

 

[NS]

問い:コロナ禍で就職難の学生の新卒採用を、卒業後3年間の扱いにすべきか

YES側

氷河期世代と同様の事態を防ぐ必要がある

・特に専門学校卒の人たちなどに空白期を作らないようにすべきである

NO側

・新卒扱いの人たちが増えても採用枠が増えるわけではないため、競争率が激化する

・有効求人倍率は1を超えており、就職難というほどではない

 

他にも、YES側として企業の社会的責任があるとの意見や、NO側としてコロナ禍で採用に特別な措置を行うという先例をつくることで、以降災害などの時にも特別措置を要求される可能性があり線引きが難しいといった意見が上がりました。

また、近年新卒一括採用という画一的な採用方法を廃止しようとする動きがあるため、コロナ禍を機に採用の流動化に踏み切ろうとしているのではないかという議論に発展しました。これまでのNSでも何回か話題に上がりましたが、今回の新卒採用を卒後3年間扱いにするということが通年採用への移行の布石であるならば、コロナ禍という特殊な状態に乗じてこれまで難航していた改革を推し進める「ショック・ドクトリン」的な風潮の例の一つと言えるのではないでしょうか。

 

三田祭論文]

三田祭論文も大詰めとなりました!パワーポイントを使用したプレゼンで、殆ど最終形に近い発表が行われました。

四年生からは質問やパワーポイントの改善案などのフィードバックが行われましたが、前回のフィードバックを受けて各PEST分析の考察や包括的考察をより深め、また表やグラフを挿入するなど、より伝わりやすい発表になっていると感じました!

例年より少ない同期で三田祭論文を書くことは大変だと思いますが、執筆まで頑張ってください!!

 

[卒論 北村さん]

テーマ:YouTubeにおける男女のコミュニケーションの違い

今回は、YouTubeに投稿された動画に対するコメントやYouTuberの属性、そのファン層の性別などに注目して検証を行っていました。男性視聴者と女性視聴者の間で興味の対象やYouTubeコンテンツの消費の仕方が異なるという点が興味深かったです!その違いがどうして、何によって生じたのかというところが肝になると思うので、今後の展開が気になるところです!

 

以上が10月29日のゼミ内容でした。

11月はスケジュールの関係で2、5、23、26が休講となります。

また、年内に2回ディベートを行う予定です、お楽しみに!

 

20期 堀岡

10月22日 ゼミ日誌

こんにちは、20期の島です!

最近冷え込んできたせいか体調があまりすぐれません。皆さんも衣替えや毛布の準備、エアコンの設定など、抜かりなく冬に向けて準備してくださいね。

 

本日のゼミの内容は、卒論の中間発表2本とNS1本でした。

 

[NS]

問い:小中学校へのスマホ持ち込みを認めるべきか?

YES側

・緊急の連絡が可能となる
・自己管理能力があれば便利なものであり、今後のためにその能力を養う必要性がある

 

NO側

・いじめの助長に繋がる
・持っている子と持っていない子の格差が生まれる。

 

ゼミ員の意見としては7:3くらいでYES側が多かったですね。YES側の意見としては、利便性のメリットが大きい、NO側の主張は所持する段階の話にすぎない、ネットリテラシー早期教育にもつながるといったもので、NO側の意見としては、連絡手段は別途用意できる、リテラシーが小中学生には厳しいのでは?、といったものでした。

 

リテラシーに関する条件をクリアできる制度さえ整えれば、学生生活を充実させるためにもスマホ自体はあった方がいいとは個人的に思います。

 

[卒論]

堀岡さん 

 

テーマ:ファン行動とファンダム比較。

 

ここでは、各ファンダムの特徴的な行動様式はどのように規定されているかという問題意識と共に、送り手側のコンテンツ(ジャニーズ、宝塚、K-POP)における制度や戦略が、受け手側のファンコミュニティ(ファンとアーティストの関係)及びファンダム(ファン同士の関係)の特性の差異にどう影響をもたらしているのか?という要素の関連を探る観点が興味深かったです。また、ファンの定義を「ファンであると自覚している人」と定義しており、包括的なファンを対象にする姿勢を軸にしているのが印象に残りました。

各要素をどう結び付け、論証していくのかがこの論文の肝ですね。

 

井上さん

テーマ:V系バンド

 

ここでは、「ネオ・ヴィジュアル期からのインディーズV 系が衰退している要因は何か?」という問いの中で、ヤンキー文化やオタク文化の変動とのかかわりの中で論証しようという観点が興味深かったです。先行研究において様々な観点で検証されている「衰退」という側面を、別のカルチャーとの単純な比較ではなく、全体的な変化と併せて語ろうとしていた点が特徴的でした。

 

最後までお付き合いいただきありがとうございました!

他の4年生の卒論も完成度が高く、3年生も三田論を作成しているので、楽しみに報告を待っていてください!

 

20期 島

10月12日ゼミ日誌

皆さんこんにちは20期の青山直義です。ゼミ日誌の更新が遅れてしまい申し訳ありませんでした。

最近は準体育会のリーグ戦が迫り、一生懸命練習に励んでいます。もちろん、ゼミ活動も精一杯頑張ってます!

本日はニューススピーチとマックス・ウェーバーの『プロテスタンティズムの倫理と資本主義の精神』の輪読を行いました。

 

ニューススピーチ

ペットの飼育放棄について考えました。

問いとしては飼育放棄を防ぐためにペットショップに譲渡条件を設けることを義務付けるか?でした。

yes派の意見としては安易なペットの購入を防ぐことが出来るという意見が多かったです。yes派は倫理の観点を重視していました。

no派は経済面からの意見が出ました。譲渡条件は高所得者だけが買えるという状況が生まれ、経営困難を招くという意見が出ました。

ペットというのはとても難しい問題だと思いました。ペットにも人間と同等な権利を求める団体が存在するそうです。こういった団体の意見を取り入れてから、またいつか議論したい問題でした。

 

輪読

本日の輪読では第三節を扱いました。この節では、プロテスタンティズムの倫理と資本主義の精神との関係をいかに考察していくかについて書かれていました。

天職という観点は、世俗的な日常の労働に宗教的な意義を見出しました。つまり仕事は神から与えられたものであり、それに従事するべきであることとするものです。利益の追求は神から与えられた地位の枠組みを逸脱する行為であるから不適切とされていた。

こういった考えがある中で、宗教的な運動が職業倫理にどのような影響を与え資本主義の精神を発達させるに至ったか気になります!それは次回以降の輪読で分かるので楽しみです!

 

最後までご覧いただきありがとうございました。是非、またゼミ日誌を見に来てください!

 

10月1日 ゼミ日誌

平野ゼミの日誌愛読者の皆様、ご無沙汰しております。20期の星野です。久々の更新となってしまいましたが、皆さまいかがお過ごしでしょうか?
10月1日の本日は秋学期初回のゼミを行いました!オンラインとはいえ、久しぶりに先生、ゼミ員が揃って顔を合わせることができました〜
そして、本日の内容は豪華三本立て!
①3年生(21期)三田論中間報告
まず初めに3年生の三田論中間報告を行いました。テーマはマンガ文化。時代によって人気漫画のジャンルはどのように変化してきたのか?という問題にチャレンジしております!
今年の夏はコロナの影響で様々な制約がある中、色々工夫しながら奮闘しているようです!
完成間近の今年の三田論、とても興味深く、面白い論文に仕上がっております!詳細は是非三田祭でお確かめください!

②ニューススピーチ
本日のお題は「ハンコ文化」。先日河野太郎行政改革担当大臣が「ハンコ文化をすぐになくしたい」と発言したことから話題になっています。
問い:官民問わず、ハンコ文化の廃止を促進すべきか
YES
・ハンコ文化は非効率であり、デジタル社会に適していない。
・オンライン上での決裁におけるセキュリティも今日では高い水準にある。
実際にハンコを押すためだけに出社するケースもあるようで、効率という側面から見るとだいぶ困った文化と言えます。
NO
・押印にかかる手間はセキュリティを維持するために必要なものである。
・日本には文化として根づいているので簡単には変えられない。
ハンコ文化を廃止したとして、ハンコ屋などの事業者をどう救済するのか、という問題もありそうです。

来週から輪読で扱うマックス・ウェーバーの『プロテスタンティズムの倫理と資本主義の精神』略して『プロ倫』のレクチャーを先生にしていただきました。マックス・ウェーバーの生い立ちからこの本が書かれた社会背景、ゾンバルトマルクスなど同時代の学者との関係など、100年以上前に書かれた古典である『プロ倫』を読むにあたって必要な知識を学ぶことができました!
個人的には『プロ倫』という略し方がとても気に入っています。おそらくブロリークリリンの子供か何かなのでしょう。
この本に興味のある方は、来週以降のゼミ日誌で輪読のプレゼンを簡単に紹介するので、またゼミ日誌を見に来ていただけると嬉しいです!
それではこの辺で、最後までご覧いただきありがとうございました!