7月9日 ゼミ日誌

こんにちは、20期の星野です!7月9日木曜日のゼミは以下の通りでした。

・ニューススピーチ

・輪読:小熊英二『日本社会のしくみ』5,6章

 

今回のニューススピーチのテーマは「JR東日本の時間帯別運賃の導入」について。

最近よく聞くダイナミック・プライシングの話題です。英国をはじめ海外ではすでに導入されている事例もあるみたいですね。

YES側

・満員電車の解消につながる。

・フレックス勤務など柔軟な働き方が浸透する。

NO側

・交通費の価格弾力性は低いので満員電車解消の効果はない。(交通費は基本会社もちだから)

・ピークの時間が変わるだけでは?

またNO側の意見として、公共財である鉄道がダイナミック・プライシングを導入することは財の非排除性を損なうものなのではないか、という意見も出ました。

 

続いて輪読。引き続き小熊英二さん(慶応義塾大学総合政策学部の教授です!)の『日本社会のしくみ』をやりました。

5章 慣行の形成

戦前の日本の新卒一括採用や定年制度の起源に迫るチャプターです。

結論から言うと、明治期の軍隊制度や官公庁の雇用制度が民間企業にも浸透した、というところ。さらに当時少なかった大卒者を早期に囲い込みたいという企業の思惑や西洋の列強に負けない工業力を一刻も早く必要としていた、というような当時の国内外の状況も日本の雇用慣行の形成に密接に関わっているということです。

また、制度が出来上がる前のコネ人事の話や”就職訓練所”としての大学の機能など、様々な面白い話題もありました!

 

6章 民主化と「社員の平等」

この章では時代は戦後へと進み、現在のような企業を家族と見なす風潮や年功賃金はどのような経緯で生まれたのか?を明らかにしています。

こちらも結論から申しますと、戦時中の国民の一体感、戦後の(みな貧乏という意味での)平等思想が日本的な企業のルーツになっているということでした。日本の労使協調の関係にはこのような背景があったのですね!

この小熊さんの(分厚~い)本は平野ゼミの輪読でも初めて扱うそうですが、とても面白い本なので興味のある方は手に取って読んでみることをお勧めします!

 

さて、明日は第一回目のゼミ説明会ですね!例年とは違いオンラインの開催ということで、2年生の皆さんは不安に思うところもあると思いますが、平野ゼミは総力を挙げて2年生の皆さんのゼミ選びをサポートしたいと思っております!

明日は是非たくさんのゼミの話を聞いてみてください!そして、少しでも興味があれば、軽い気持ちでも構いません!平野ゼミにも顔を出していただければ幸いです。ゼミ員一同心よりお待ちしています!