7月2日 ゼミ日誌

こんにちは。19期の田上です。

この日は、卒論発表3本と、NSを2本おこないました。

[NS①] 所有者不明の土地の接収と土地権利の自主放棄を認め、行政が公的目的で活用できる制度を作るべきか?

YES側

・所有者不明地が増えているのに、それに対する法整備が追い付いていない現状は由々しい

・土地を有効活用することで利益が生まれるかもしれないし、活用するのは合理的だ

NO側

・放棄される土地なのだから、そもそもあまり使い道がないのでは?

・公園・駐車場などの施設に、公的機関が新たに設置せねばならないほどの需要を見込めないのでは?

土地に対する権利の自主放棄を認め、その土地を専門公的機関が管理・開発することの是非を議論しました。相続問題・近隣トラブルなど、民間で対処しきれない問題に公的機関が関与することの意義を強調するコメントもありました。

[NS②] 原作者が過去に不適切発言をしていた場合、(その作者を原作者とする)アニメを放送中止すべきか?

YES側

・炎上という事態を収拾するために放送中止することは合理的だ

・差別的な表現は、表現の自由だけで弁護しきれない

NO側

・作者が有名になる以前の発言なのだから、現在の作者とは切り離して考えるべきだ

・放送を希望するファンの意思を、原作者の思想という問題で踏みにじるべきではない

文学者・芸術家の過激な発言が許容される一方で、アニメ作品の原作者では許容されない現状はダブルスタンダードのあらわれなのではないかという意見もありました。

[卒論発表①] 小野さん「自動車の所有目的の変遷」

問い

現在の日本において、自動車はその個性を失い、コスト最重視で選ばれる「日用品」になっているのか。

仮説

生活をデザインする「箱」として、個人のライフスタイルを築くための土台である。ただ、人々が自己を表現するための存在としては、あくまで二次的要素に留まる。

[卒論発表②] 小松さん「飲酒動向と社会の変化」

問い

飲酒行為の個人化を推し進めた要因は何か。

仮説

通説(共同体からの解放)に加えて、飲料メーカーの宣伝が推し進めた。

[卒論発表③] 原田さん「子どもの着るものについて」

問い

子ども服の購入にどんな意思や価値観が反映されているのか。

仮説

育児を主に担う母親が子ども服の選択に大きく影響しているが、2000年代頃から父親の関与度も増加している。また購入する親の所得や環境などによる影響から高価格帯では一貫して「子どもらしさ」が重視され、ファストファッションや大人向けの服も扱うメーカーでは大人の流行と結びついた商品が選ばれている。

いよいよ夏本番に突入し暑くなってきましたが、それに負けないくらいアツい議論を展開できました。