12月19日 ゼミ日誌

こんばんは、16期の宍戸です。たしかに街歩きは好きですね。街歩き系番組もよく見るのですが最近のはあんま面白くないです。飲食店のスタンプラリーをしてるような構成が嫌いです。ブラタモリくらいかな面白いのは。あれは街歩き番組の域を超えてます。


さて、今日のゼミでは四年生の卒論最終報告がありました。

トップバッターは小竹です。

テーマ:明治期三井物産における学閥―慶應と東京商業学校の比較―

問い
三井物産における「学卒者採用・学閥形成・学閥解体」はどのようなプロセスで行われたか

仮説
創設期からの人脈による採用に端を発するが、採用後の評価は良好であったため、慣習として残存した。学校ごとに採用基準に差異がみられる。慶應義塾出身者は中上川の重用・塾員同士の連携によって学閥化していく。しかし中上川の死後、対立関係にあった益田により自らと関係の薄い慶應閥を解体していくこととなった。同時期には中国に精通した人材が求められ、英語能力の高い学卒者の評価は相対的に低かった。


学閥を形成した慶應と形成しなかった一橋を比較することで三井物産の中上川と益田との対立を浮き上がらせていました。採用から学閥形成、解体もやっぱり企業の上にいる人が大きな影響力を持つんですね。加えて小竹は学閥の解体要因として三井物産のメイン市場が中国に移行していったことをオリジナルな要因として考察していました。


二番手は瀬高です。

テーマ:日本の野球と社会の関わりの変遷

問い
戦後、メディア(雑誌)によって描かれる野球はどのように変化してきたか。また、それはどのような社会を映し出しているか。

仮説
1946年から50年代半ば、アメリカの統治下において復興を目指していた社会において、プロ野球界ではアメリカを理想としていた。
1950年代半ばから1970年代前半においては高度経済成長のなか、プロ野球界においては華やかなプロ野球界の姿が描かれ選手は国民の理想の姿だった。
1970年代半ばから1980年代半ばにおいては安定成長期を迎え、プロ野球界では昔の華やかさは消え、選手の根性や努力の物語が強調された。
1980年代後半から現在まではバブル崩壊と失われた20年に突入し、プロ野球界において選手は根性、逆転や感動のドラマを生み勇気を与える存在である。
(仮説は図となっていたのでざっくりと文字に書き起こしました)


野球雑誌を通時的に分析した先行研究が非常に少ないなかで戦後から現在までの流れを一つにつなぎました。ストーリーとしてオーディエンスにもわかりやすいものでした。あとはメディア側の視点に関して何か分析なり考察が必要になるのでしょうか。


三番手は岩田です。

テーマ:雑誌「Number」から見るメディアスポーツが語る物語の変遷について

問い
1980年代以降の日本のメディアスポーツが提供する物語はどのように変化していったか。またその物語を映し出すスポーツの種類はどのように関連しているか。

仮説
メディアスポーツが描いてきた物語は時代や社会文化的状況などによって小さな変化はあるものの、劇的な変化はしていない。また、スポーツの種類によって映し出されやすい物語の属性は存在する。


日本のメディアスポーツが提供する物語自体の変化、物語を映し出すスポーツの種類、それぞれを時系列にまとめてみてはというアドバイスがありました。(ちょっと違ったかな)
関係性がみられないという結論は自分としては目新しさがありました。関係のなさをどう考察するのかが気になるところです。


最後、四番手は近藤です。

テーマ:小学校給食教育の変遷―国と現場の双方に着目して―

問い
小学校の給食指導はどのような変遷を遂げてきたのか。また現場の指導法(主にグループ給食・完食指導)はどのような変化を遂げてきたか。

仮説
国から見た給食指導は戦後から1970年ごろまでは栄養問題の克服、しつけ道徳の面が強かった。70年から80年代後半にかけては道徳、地域社会とのつながりの面が強調される。80年代後半以降はそれに加え健康(食育)面の指導が強調されるようになった。
現場の指導に関しては、戦後すぐの指導にみられた完食指導や前向き食べは1970年代以降には下火になる。それと変わってグループ食べの指導は1970年代半ばから一般的となっていった。
(仮説はレジュメ内の記述からざっくりと文字に起こしました)


給食指導の変遷を国、現場の二つのレベルから追っていく方向性は前回と変わらず一貫性を感じる発表でした。現場と国のずれ、給食の特殊性の考察に監獄化の理論を使うなどユニークさもありました。ただ、論文を通して一番伝えたいポイントが見えてこないといった指摘もありました。



四人の発表が終わった後、四年のドラフトをみた先生から書き方で気になる点について卒論指導がありました。どれもいままでどこかで言われていたことだったので改めて身につまされる思いで聞いていました。最終稿の提出までになんとか読みやすくいい形に仕上げたいところです。



といった感じでだらだらと書いてきましたがこんな感じで今日のゼミ活動は終了しました。
次回更新は池浦君です。色々フリを考えたけど俺そういうの下手なんでやめました。彼なら雑なパスでも上手にトラップできることは知ってるんですけどね。よろしく。